「新京成」と「京成」何が違う? 設立時からあった合併話 でも別々の道を歩んできたワケ

2025年4月に新京成電鉄が京成電鉄へ吸収合併されることになりました。社名も運行する車両も似ている両者の違いとは何でしょうか。歴史をひも解くと、設立時から強い結びつきを持っていたことが分かります。

新京成、79年の歴史に幕

 松戸~京成津田沼間の新京成線を運行する新京成電鉄は、2025年4月に京成電鉄へ吸収合併されます。社名に「新」を冠する新京成電鉄は、京成電鉄と何が違うのでしょうか。

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2019年12月にデビューした新京成電鉄の新型80000形電車(2019年12月、大藤碩哉撮影)。

 そもそも京成電鉄は、成田山新勝寺(千葉県成田市)への参詣客を輸送するために、1909(明治42)年に設立されました。一方の新京成電鉄は、旧陸軍鉄道連隊が演習に使用した線路を京成電鉄が買い上げ、運行を担う新会社として別途設立されたのが始まりです。1946(昭和21)年のことでした。

 今でこそ、京成電鉄は新京成電鉄の全株式を取得し完全子会社化していますが、設立当時も「将来京成電鉄株式会社より会社の合併又は本鉄道の譲渡について申入のあった場合は拒むことを得ない」と、合併を視野に入れていました。ただ両社は、見た目の似た車両を導入するなど強い結びつきは持ちつつも、約80年間はお互いに独自路線を行くことになります。

 軌間(線路の幅)も設立当時は異なっていました。京成電鉄が馬車鉄道由来の1372mmであったのに対し、新京成電鉄は国鉄などと同じ1067mmでした。本来は京成電鉄にあわせようとしましたが、当時の地方鉄道法では1067mmでの開業が決められていたのです。

 しかしその後は2度、改軌することになります。最初は1953(昭和28)年、京成津田沼駅へ乗り入れ工事をした時。2回目は京成電鉄が、都営1号線(現・都営浅草線)へ乗り入れるため1435mmへ改軌した時で、新京成電鉄もあわせて改軌しました。1959(昭和34)年のことでした。

 その後も、京成電鉄は空港直結プロジェクトといった大型案件を抱えていたほか、経営危機に見舞われたこともあったため、新京成電鉄と合併されることはありませんでした。

 2年後の吸収合併を決めた京成電鉄は「さらなる経営の効率化・意思決定の迅速化を図ることで、経営資源を最大限活用し、これらのシナジー効果をより早期かつ確実に発揮する」としています。

【了】

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