「もうひとつの物流危機」50cc原付消滅で配達バイクどうなる? “免許が変わってしまう”配達組合訴え

車両区分見直しに関する有識者検討会は?

 こうした課題を現実的に解決するために、警察庁は排気量で区分された現在の免許制度の見直しに着手しています。

 原付免許で運転できる車両を51cc以上の車両に拡大する案です。警察庁は9月11日に「二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会」の第1回を開催。「規制をクリアする開発は難易度が高く、開発費用が高額であるため、事業性の見通しが立たず、50ccバイク生産・販売の継続が困難」という認識で、「総排気量125cc以下の二輪車を原動機付自転車区分とすることに関し、安全性や運転の容易性等を重点に検討する」としました。

 第1回の会議で示されたのは、排気量125ccのエンジンの最高出力を4kW以下に抑えた車両に限って、原付免許で運転できるようにする方向です。ただ、原付免許は普通免許の付帯として、講習を受けずに自動二輪(小型限定)に相当する大きな車両に乗ることができるため、安全性の評価では慎重な見方もあります。

 検討会は、通常の125ccクラスよりも最高出力を落とした原付免許で乗れる125ccバイクの走行会を10月に終了。11月中に警察庁ウェブサイト上で走行評価について公表。12月までには報告書を決定する予定です。

【了】

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Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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