機種同じじゃないですか!「偵察機」「観測機」何が違うのか 無人化が進むのはどっち?
ヘリから無人機へ 外国製も積極導入
陸上自衛隊では、1969年より小型のOH-6ヘリコプターを観測機として採用し、改良を加えながら長年運用してきました。本来ならOH-1偵察ヘリコプターが後継機となる予定だったのですが、調達価格が高騰したために量産機は34機で調達が打ち切られ、OH-6全機を置き換えることができませんでした。
2020年にOH-6が全ての部隊から退役したため、155mmりゅう弾砲FH70や99式自走155mmりゅう弾砲を運用する特科部隊では2023年現在、主に汎用ヘリコプターのUH-1JやUH-60JAを観測任務に充当しています。
弾着観測の任務は危険が伴うため、世界的に無人機の採用も進んでいます。陸上自衛隊では2001年より、富士重工(現:SUBARU)製の小型無人ヘリコプターをベースにした遠隔操縦観測システム(FFOS)の調達が始まり、後に改良型である無人偵察機システム(FFRS)の調達へとシフトしています。
ほかにも、狭い範囲での偵察・観測用としてカナダのエリヨン社製小型無人機、JDXS-H1(スカイレンジャーR60)が2017年頃から少数ずつ調達され、部隊での評価試験が重ねられています。
これら以外にも、陸上自衛隊では無人機の導入を推し進めていることから、将来的には有人の観測機は基本的に廃止され、無人機が主役となっていくのかもしれません。
【了】
Writer: 咲村珠樹(ライター・カメラマン)
ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。
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