大阪の鉄道大動脈「なにわ筋線」工事進行中! まずは駅構造物から 地上にクレーンがニョキニョキ

現地は工事ヤードが広がっています。

工事がいよいよ本格化

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南海とJRが乗り入れるなにわ筋線(画像:写真AC)。

 大阪のキタとミナミをむすび、北側と南側の鉄道を直結させて新たなネットワークを形成する、新路線「なにわ筋線」。2030年度末の開業に向けて、工事が各所で見られるようになりました。今どこで何が行われているのでしょうか。

 なにわ筋線は、JRの大阪駅「うめきた地下ホーム」からまっすぐ南下し、JR難波駅、あるいは南海新今宮駅へつながります。途中駅は「中之島駅」「西本町駅」で、分岐したあと南海側には「南海新難波駅」も設置されます(いずれも仮称)。

 南海にとっては、悲願ともいえる「大阪駅(梅田駅)」への乗り入れが実現します。JRにとっても、狭い大阪環状線をえっちらおっちらと抜けていく必要がなくなり、直線ルート化で京都~関西空港のスピードアップが図れます。大阪という街にとっても、地下鉄でしか直結していなかったキタとミナミに、新たなルートが生まれることとなります。

 さて、現地ではすでに工事がはじまっています。とはいっても、まずは時間のかかる「中之島駅本体」「西本町駅本体」「南海・JR分岐部トンネル」の3か所が最初に着工。そのあと、シールドトンネルを掘るために「シールドを発進地点に置くための縦穴」の工事が行われていく見込みです。さらに、福島駅付近では大阪環状線とJR神戸線の高架をくぐるため、それらを支える工事も先行して進められていきます。

 まず中之島駅本体工事ですが、中之島北側の玉江橋から、南側の常安橋に至るまで、なにわ筋の中央部に重機が集結しています。もともとここには街路樹がひょろりと並んでいましたが、2022年初めごろから順次撤去され、南行き車線を移設して、まず道路東側から工事が進められてきました。ことし5月からふたたび車線が移設し、現在は道路中央部が工事エリアです。

 駅の両側で川をくぐるため、ホームは深さ40m級に位置し、地下4階と5階に上下線のりばが分かれる2層構造となっています。

 次に西本町本体工事。こちらは道路東側が工事中で、巨大なボーリングマシンやクレーンがそびえ立っています。こちらは中之島駅に対し比較的浅いですが、それでもホームは深さ20m級、地下3階に位置します。なにわ筋の車線は左側へずらされ、バスのりばも仮設工の脇で仮営業の状態です。来年の1月以降はまた車線が切り替えられる見込みです。

 道頓堀川をくぐる分岐部トンネル工区では、川に工事用台船が並び、湊町船着場は閉鎖されて工事ヤードとなっています(船着場は東側へ移転)。

 阪神高速の湊町JCTのデルタ内でも工事用地に重機が行き来しています。このまさにデルタ内の直下で、なにわ筋線がJRと南海に分岐していく計画です。分岐後、JRはすぐJR難波駅に到着。南海はさらに深くもぐりこみ、南海新難波駅に到着。そこから44パーミルの急勾配で地上に出て、国道25号付近で南海本線と合流する形です。

 これら3工区はいずれも地下空間の工事なので、目立って「モノが出来ている」という実感は湧きづらいです。しかし、地上の工事ヤードはいずれも大掛かりで、明らかに「大プロジェクトが動いている」という雰囲気を醸し出しています。

【了】

【画像】えっ…!これが「なにわ筋線」の工事現場です

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