米軍「イスラエル沖に原子力潜水艦を派遣した」の裏メッセージとは? 機密チラ見せのワケ 派遣艦は“最恐兵器”
特殊部隊の母艦としても
当初は24隻が建造予定だったオハイオ級戦略ミサイル原潜ですが、東西冷戦の終結や世界的な核兵器削減の影響などで6隻減らされ、前出した18隻に留められています。ところがその後、核兵器削減がさらに進む一方で、対テロ戦争の危機が身近なものとなったため。アメリカ海軍は、核兵器削減の一環として同級18隻のうち初期建造の4隻を、巡航ミサイル「トマホーク」を最大154発射撃可能な巡航ミサイル搭載原潜へと改造しました。
4隻はこの改装で、弾道ミサイルの運用能力はなくなったものの、アメリカ海軍艦艇として最多の巡航ミサイル運用能力を手に入れたため、ある意味で最強の対地攻撃プラットフォームに変身しています。
こうして生まれた改オハイオ級巡航ミサイル搭載原潜ですが、このクラスにはもう一つ重要な任務が付与されていました。それが、巨大な船体を活かしての海軍特殊部隊「SEALs(シールズ)」などの発進・収容母艦としての役割です。
トマホーク発射筒へと変更しなかった2基の弾道ミサイル発射筒跡を、艦に出入りするためのロックアウト・チェンバーに改造。艦内には乗組員以外に66名を収容可能なベッドやバスルームが設けられました。さらに後甲板上には、艦外に装備される特殊部隊向けの別棟ともいうべきドライデッキ・シェルターが2基取り付けられ、そこからSEAL輸送潜水艇(略称SDV)や戦闘用ゴムボート(Combat Rubber Raiding Craft:CRRC)を発進させられるように改修されたのです。
しかも、元が戦略ミサイル原潜なので静粛、かつ敵に発見されにくいという、隠密行動が求められる特殊部隊の母艦としては最適ともいえる条件を持っているのも強みです。
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