米軍「イスラエル沖に原子力潜水艦を派遣した」の裏メッセージとは? 機密チラ見せのワケ 派遣艦は“最恐兵器”

パレスチナ自治区ガザでの戦闘激化に伴い、アメリカが地中海に原子力潜水艦を派遣しました。しかし、活動そのものが極秘とされる原潜の動きがこのように発表されるのは極めて異例。しかも公開された画像にはメッセージも含まれているようです。

10年ほど前に威力見せつけた例も

 実は、すでに今から10年ほど前に、改オハイオ級の巡航ミサイル搭載原潜がその高い攻撃能力を世間に見せつけたことがあります。それは2011年3月、リビアに対して行った「オデッセイの夜明け」作戦でのことです。このとき改オハイオ級の「フロリダ」が初めて実戦に参加しましたが、約100発もの「トマホーク」ミサイルをリビア国内の目標に向けて撃ち込んだのです。

Large 20231120 01
改オハイオ級巡航ミサイル原潜。船体上部に設置された黒い円筒状のものが特殊部隊用のドライデッキ・シェルター(画像:アメリカ海軍)。

 今回、アメリカ海軍がSNSで公開した潜水艦の画像には、船体上部に円筒状のドライデッキ・シェルターが搭載されていたことから、巡航ミサイル原潜兼特殊部隊母艦型の改オハイオ級だとわかります。

 中東地域には、前出の「フロリダ」によるリビア攻撃の記憶がまだ残っているでしょうから、改オハイオ級の画像を見せてその存在を誇示することは、明らかに牽制となります。加えて同級なら、巡航ミサイル攻撃だけでなく、「SEALs」を送り込んで特殊作戦を実施するなどアメリカの強い意志を見せつけることも可能です。

 こういったことを鑑みると、アメリカの意向を強く主張する、いわゆる「砲艦外交」といわれる手段として、「ハマス」を含むパレスチナ自治政府とイスラエル、さらにはエジプトを始めとしたアラブ諸国、そういった関係者たちへのメッセージが、今回の改オハイオ級の地中海への派遣とその画像の公開には含まれているのではないかと筆者(白石 光:戦史研究家)は捉えています。

【了】

【激レアかも】機密の塊 オハイオ級原潜の艦内(写真)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス