米軍「イスラエル沖に原子力潜水艦を派遣した」の裏メッセージとは? 機密チラ見せのワケ 派遣艦は“最恐兵器”

パレスチナ自治区ガザでの戦闘激化に伴い、アメリカが地中海に原子力潜水艦を派遣しました。しかし、活動そのものが極秘とされる原潜の動きがこのように発表されるのは極めて異例。しかも公開された画像にはメッセージも含まれているようです。

アメリカが公開した意味深な原子力潜水艦の画像

 2023年10月7日、中東パレスチナのガザ地区を実質的に支配しているイスラム組織「ハマス」が、何の前触れもなくイスラエルへの大規模な攻撃を開始しました。これを受けてイスラエルも反撃。それから1か月以上経った11月15日現在も戦闘は続いていますが、そのようななか、アメリカは紛争地域に近い地中海イスラエル沖に、原子力潜水艦(原潜)を展開させたと発表しました。

 本来なら、活動状況は極秘にされるはずの原潜ですが、アメリカがあえてその行動を発表した真意はどこにあるのでしょうか。

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弾道ミサイルの発射筒を撤去し、巡航ミサイル「トマホーク」の発射機や特殊部隊用のシェルターを増設した改オハイオ級原子力潜水艦(画像:アメリカ海軍)。

 そもそも、異例ともいえる原潜の行動が公にされたのは、アメリカ中央軍が11月5日に公式X(旧Twitter)などを通じて行った一連の投稿でのこと。ここで、オハイオ級原子力潜水艦が作戦海域に到着したと発表するとともに、原潜の写真も投稿したのです。この写真はさっそく話題となり、海外メディアの報道では、場所はエジプトの首都カイロ近傍の地中海ではないかといった推察も出ていました。

 ゆえに、アメリカ政府と同軍は今回、故意にこの原潜の動きを公表したものと考えられます。

 オハイオ級は、弾道ミサイルを発射することが可能な、いわゆる「戦略ミサイル原潜」と呼ばれるもので、1976年から1996年にかけて18隻が建造されました。

 深海にじっと潜み、核戦争が勃発したら間髪入れず敵へ弾道ミサイルをたたき込むという任務を負っている戦略ミサイル原潜は、搭載する弾道戦略ミサイルのサイズが大きいため、それに伴って船体も艦船攻撃用の、いわゆる攻撃型原潜などと比べて大きくなります。

また、敵潜水艦に発見されて駆逐されないよう、静粛性も徹底的に追及されています。このような戦略ミサイル原潜の最高峰として建造されたのがオハイオ級でした。

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