根室まであと少し? 北海道横断道の新規区間「別保~尾幌」ルート3案に絞る 鉄道も国道もクネクネ区間どうなる?
未事業化区間はあと2つ!
釧路から東もできていく北海道横断道
国土交通省 北海道開発局は2023年11月16日、北海道横断自動車道「別保~尾幌」区間について、昨年に続き2回目となる事業化へ向けた計画段階評価を行いました。
道東道からさらに東へ、根室まで計画されている北海道横断自動車道(根室線)は現在、本別JCT以東が細切れに開通。事業化されていない区間も2区間ありますが、そのうちの一つが釧路町と厚岸町にまたがる「別保~尾幌」区間およそ21kmです。
この区間は鉄道(根室本線)は北へ、国道44号は南へ分かれて通っていますが、いずれも山越え区間でクネクネとした線形です。国道は急勾配や急カーブが多く、鹿との衝突も頻発し死亡事故も起こっているといいます。地域の農業組合の意見では、高規格道路ができ走行性が改善されることで、輸送時の牛のストレス軽減により体重低下が抑えられ、より高値での取引につながるといいます。
国は高規格道路の実現に向け、2023年に住民アンケート調査を実施。その意見を踏まえて今回、市街地や自然保護地域、酪農地、浸水想定地域などを回避する3つのルート案が示されました。
「別線南側ルート」と「別線北側ルート」は、全線別線の自動車専用道で、国道44号沿いに通すか、根室本線沿いに通すかの違い。もう一つは「別線南側・一部現道改良ルート」で、文字通り「別線南側ルート」の一部を現道改良区間とするものです。ただしサービス速度は劣り、一部代替性が確保できないものの、安価だとされています。
それぞれの事業費は、「別線南側ルート」が約21kmで約1100~1300億円、「別線北側ルート」が約22kmで約1155~1350億円、「現道改良ルート」が約23kmで約1000~1200億円となります。北海道開発局は今後、第二回目の住民アンケートを踏まえ、ルートを決定し、事業化へつなげる構えです。
ちなみに、北海道横断自動車道(根室線)の本別JCT以東は、阿寒IC~釧路西ICが2024年度に開通すると、釧路別保ICまでの約82kmがつながります。それ以東は、今回の「別保~尾幌」区間が未事業化、「尾幌糸魚沢道路」(24.7km)が事業中、「糸魚沢~温根沼」が未事業化、「根室道路」(7.1km)が開通済みという状況です。根室までの高速道路が実現に近づきつつあります。
【了】
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