”1時間”が致命的…運転士不足の「問題の本質」明らかに!? 市の交通部長が異例の「お気持ち表明」の内容は

「2024年3月末の法律施行」路線バス業界にとって、一番ダメージでかいのは…

2024年3月末の法律施行

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高槻市交通局のバス(画像:高槻市交通局)。

 バスや鉄道業界などに吹き荒れる「運転士不足」の嵐。いまだかつてない勢いで、不採算路線をはじめ数えきれない路線が廃止に追い込まれています。中には「バス事業ごと消滅」した例も。

 日本から「路線バス」という存在を跡形もなく消し去ろうとする「2024年問題」ですが、いったいなぜ状況は切迫しているのでしょうか。

 その「2024年問題」について、市営バスを運行する大阪府高槻市は11月17日、異例の「交通部」トップのあいさつを公開しました。高槻市交通局では「こちら部長室」であいさつや重要報告などをおこなっていますが、部長じきじきに文章を発表するのはまだ2回目のことです。

 発表で田中 宏和部長は、まず2024年問題として、2019年施行の「働き方改革関連法」と、自動車運転業界だけそれが2024年3月末まで猶予されてきて、いよいよ「本格施行」の時が迫っていると説明。

 その施行が市営バス事業に与えるインパクトとして、「1日の休息期間をこれまでより少なくともプラス1時間長くとる」という労働改善項目を挙げています。これにより「深夜勤務~仮眠~朝勤務」というシフトを組み上げるに致命的な打撃を与え、結局「別の運転士を確保して、運転士の総数を増やす必要がある」点だといいます。

 まだ本格施行への対応が間に合っていないなか、最終結論として「運転士不足は避けられない」という厳しい現実が待ち受けています。市は最小限にしたいとしつつ「始発便の一部繰り下げ」「最終便の一部繰り上げ」「ダイヤの一部減便」「運転士の追加確保に伴う人件費の増加等」などが近いうちに起きるかもしれないと明言しています。

 この発表をうけ、SNS上では「署名記事という点に深刻さが表れている」「なるほど、だから減便は朝夜が大きいのか」「今どきの公営バスにしては職員の事も良く考えてるように感じる」などの声が。

 田中部長は「結果として避けることができないご不便については、ご理解のほど、よろしくお願いします」と文章を締めくくっています。

【了】

【画像】えっ…!これが「次のバス停までたった1メートル」の風景です

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