ことごとく古い陸自の「キャタピラ装甲車」 そもそも必要? 明かされた“三菱の提案”とは
「上モノ」と「足回り」を別々に検討?
陸上自衛隊は2020年6月に「諸外国の装軌式装甲車に係る調査」という名称の役務の一般競争入札を行っています。
この調査の対象となったのは外国製の歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車で、歩兵戦闘車には口径25mm以上の機関砲を搭載し、車体正面は中口径機関砲弾に耐えられること、装甲兵員輸送車型には車体正面が重機関銃弾に耐えられることなどを求めていました。
調査対象国に関しては、アメリカ、イギリス、ドイツ、トルコ、スウェーデン、スペイン、イタリアを必須としており、おそらくドイツのラインメタルが開発した歩兵戦闘車「リンクスKF41」や、トルコ企業のオトカが開発した装甲兵員輸送車の「TURPER-S」などの調査が行われたのではないかと思います。
またこの調査では、歩兵戦闘車型と装甲兵員輸送車型を「海外企業から個別に取得した場合」と、「海外企業が開発した、共通の車体を使用する車両をそれぞれ取得した場合」のほか、防衛装備庁が行ってきた研究を活用して、「89式歩兵戦闘車の車体上部と新型の車体下部を組み合わせた歩兵戦闘車を取得した場合」の3つを想定し、取得から退役後の廃棄処分までに必要とされるコスト(ライフサイクルコスト)の算定も求められています。
防衛省と陸上自衛隊は、この諸外国の装軌式装甲車に係る調査と、防衛装備庁が行ってきた共通車両の換装技術に関する研究を基に、89式歩兵戦闘車と73式装甲車の後継車両を選定していくのではないかと考えられます。
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