北日本名物「ナゾの矢印」正式名称いえる? ドライバーの強い味方も「過信は禁物」か
「北海道名物」として取り上げられることも多い、道路上から吊るされた矢印。正式名称からは、単に道路との境を示すだけでない役割も見えてきますが、ある道路関係者は「過信は禁物」だとしています。
信号機と同じ高さに設置
北海道や青森県など北日本では、道路の上部に吊るされた縞模様の矢印を見かけます。とりわけ「北海道名物」として取り上げられることも多いものですが、正式名称やサイズを答えられる人は、意外と少ないかもしれません。
この矢印は通称「矢羽根」、正式名称は「固定式視線誘導柱」です。その役割は、積雪で道路と道路外の境界が分からない時、その位置を示すほか、名称の通り視界が悪い時、ドライバーの視線を誘導します。こうすることで、クルマが道路を逸脱するリスクを低減でき、事故防止に寄与します。
特に地吹雪が発生すると、地面に近い場所は見通しが大変悪くなりますが、高い場所は比較的影響が少ないため、そこに設置された矢羽根は視認できます。北海道開発局によると、設置されている高さは路面から5mが基本とのことです。
実はこの矢印、意外と大きいのです。同局によると、長さは1.2mあるそう。信号機のように、高い場所に設置されているため実感が湧きづらいでしょうが、1.2mというと7歳児の平均身長とほぼ同じです。
矢羽根は表面に並べられたカプセルレンズでクルマのライトを反射するもののほか、吹雪による影響が大きい区間には、自発光式のタイプも設置されます。視界が極めて悪い中において、運転の強い味方といえそうです。
しかし、ある北海道の道路関係者は「矢羽根の過信は禁物だ」と話します。その理由は「前方がホワイトアウトしたからといって矢羽根を頼りにしていると、視線が上向きになるほか、前走車のテールランプに注意が行きません。特に雪道での経験が少ない初心者ドライバーや旅行者は、見えるものに頼りがちになる傾向があるため、注意が必要ではないでしょうか」とのことです。
【了】
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