世界でも珍しい成田空港の謎ルール「海上から車輪ぶら下げて着陸せよ」なぜ? 九十九里浜でチェックしてます!?
なぜ「洋上脚下げ」ルールができたのか
このルールが定められた背景には、1989年度に19件、翌1990年度には17件の落下物が発生したなかで、南側からの着陸時がいずれも16件と大半を占めたのが理由です(四国新聞社2012年3月17日付)。
成田空港を運営するNAA(成田国際空港)によると、「落下物は多くの場合、氷の塊です。航空機から漏れた水が上空で凍って、それが着陸直前に落ちてくるというケースです」とのこと。そこで、太平洋上から車輪をおろすというルールを採用したことで、以後落下物の発生件数は「大幅に減り、1年に2件ほどになっている」としています。
なお、成田空港の運航に詳しい人物によると、「九十九里浜で、着陸する飛行機が洋上で車輪を降ろしているかチェックがあり、もし実施していない場合は、航空会社側に通告が行くようになっていると」のこと。この人物は「ただ、長いあいだ脚を出して飛ぶのは、燃費も下がるほか、環境にもよくないのでは、という懸念もあります」とも話します。
ちなみに成田空港は、このほかにも多くのユニークな運用やルールを有している空港でもあります。たとえば同空港の職員が航空管制を実施する施設「ランプコントロール」を有していることや、燃料を長さ約50kmのパイプで千葉港(千葉県千葉市)から輸送していることなどが代表的です。
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