物価高が加速するか? 世界の船会社 スエズ運河の使用を次々取り止め 原因は?

長期化すれば市民生活に影響も。

欧州とアジアの海運大手が次々と決断

 日本の海運大手、ONE(オーシャンネットワークエクスプレス)は2023年12月19日、紅海ならびにアデン湾での安全性低下を鑑みて、スエズ運河および紅海を通る航路の使用を取りやめると発表しました。

 これはイエメンの親イラン武装組織フーシ派が、同海域を航行する商船などに相次いで攻撃を仕掛けているからで、今後しばらくの間はアフリカ大陸南端の喜望峰を回るルートなどが主流になる模様です。

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海運大手ONEのコンテナ船(画像:ONE)。

 すでにマースク(デンマーク)やハパックロイド(ドイツ)、MSC(スイス)、CMA CGM(フランス)といったヨーロッパの大手海運会社は、全船舶に対して紅海を航行することを停止すると発表していました
 
 これら企業の動きに日本のONEも続いた形になります。なお、日本のONEだけでなく、エバーグリーン(台湾)や陽明海運(ヤンミン:台湾)、HMM(韓国)といった東アジアの船会社も相次いでスエズ運河を使うことを止めることにしています。
 
 喜望峰周りのルートになった場合、1週間から2週間程度、輸送日数が延びると予想されており、場合によっては海上運賃の上昇なども考えられるかもしれません。
 
 なお、ONEでは、紅海周辺の状況を引き続き注視し、スエズ運河が船員、船舶、船上貨物にとって安全であると判明した時点で、スエズ運河を通じたサービスを再開するとしています

【了】

※誤字を修正しました(12月21日9時15分)

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