注目高まる「絶景の廃線跡」130年前の鉄道風景がそのまま!? 「北陸本線旧ルート」に残るスイッチバックとトンネルとは
北陸新幹線の延伸開業で注目高まる、福井県敦賀市。周辺には、かつて鉄道が走っていた歴史を示す、廃線跡の遺産が残っています。
1896年開業の「北陸本線」当初ルートがそのまま
北陸新幹線がいよいよ敦賀へ延伸を果たします。金沢から南下してきた新幹線は、敦賀の手前で長さ19760mにもおよぶ「新北陸トンネル」を抜けますが、これは、日本の鉄道トンネルとしては6番目の長さになります。
もちろん、今ある在来線の「北陸トンネル」(南今庄~敦賀)も全国では飛びぬけて長く、13870mでJR線としては最長を誇ります。
ここには嶺北地域と嶺南地域をへだてる、急峻な木ノ芽峠の山地が立ちはだかっています。鉄道黎明期、長大トンネルを掘る技術も無かった時代、1896(明治29)年に開業したかつての北陸本線は、ここを西回りに大きく迂回するルートとなっていました。今の北陸トンネルのルートが開通したのは、1962(昭和37)年のことです。
その旧ルート、じつは現在もそのたたずまいを色濃く残しています。福井県道「今庄杉津線」あるいは敦賀市道に転用され、自動車で通行可能となっているのです。
※ ※ ※
旧ルートは、南今庄駅のあたりで日本海方向へ折れ曲がります。旧「大桐駅」を過ぎると徐々に標高を上げていき、最高地点付近にはスイッチバック式の「山中信号場」がありました。そこからは海を見下ろす山腹を南下していき、幾多のトンネルをくぐりながら、「杉津駅」「新保駅」をすぎ、敦賀駅の手前で現ルートと合流します。
コメント