JALの奥義「エコノミー横1席減らし」廃止なぜ? 新国際線主力機「A350-1000」客室の“産みの親”にいろいろ聞いた

JALの新型国際線主力機「エアバスA350-1000」には、全面的に刷新された客室が導入されています。5年の年月をかけて開発されたというこの客室仕様はどのように誕生したのでしょうか。産みの親に聞きました。

4クラスで244席

 JAL(日本航空)が2024年1月にデビューさせる予定の、新型国際線主力機「エアバスA350-1000」。同型機はJALが20年ぶりに導入する国際線主力機ということもあり、全クラスで刷新された機内仕様が盛り込まれています。5年の年月をかけて開発されたというこの客室仕様はどのように生まれたのでしょうか。

 今回、産みの親であるJALの客室開発担当者・西垣淳太氏に話を聞くことができました。

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JALのエアバスA350-1000(乗りものニュース編集部撮影)。

 JALのA350-1000には、ファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラスで239席が設置されています。なお、同社の国際線主力機が更新されるのは、約20年ぶりのことです。

 たとえばファーストクラスは他の航空会社ではあまり類を見ない、157cmの高い壁を設置した完全個室型のもの。座席は通常時の「ソファー」モードに加え、半分を座席に半分をベッドとする「シート&シングルベッド」、席をすべてベッドとして使う「ダブルベッド」、計3モードが選択できる、世界的にもあまり例のない仕様となっています。

 また、ビジネスクラスも、同社史上初の扉付き個室タイプのものが導入。プレミアムエコノミークラスには、背もたれを引き起こす際の乗客の負担を大きく減らすべく、世界の航空会社では初となる、電動リクライニング機能を備えています。

 西垣氏によると、ファーストクラスに高い壁を設置すると決定したのは、2019年ごろだそう。

「他社よりも壁を高くして、プライベート感という意味での競争力を高めたいというのが狙いです。座席メーカーに提案するなかで、他社のなかでは『それはできません』と言われることもあったのですが、(ファーストクラスを製造した)サフランは、同意してくれて同じ船にのってくれて、我々の要求したことを叶えてくれました」。

 一方で、「もっとも苦労したかもしれない」と西垣氏が話すのが、「ビジネスクラス」の個室における壁の高さです。

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