ついに間近で見ちゃったよ…「世界一醜い航空機」超異形だった! 見れば見るほど風船チック…その内部とは?
「もっとも醜い航空機」とも称されるほど、良くも悪くも個性的な設計を持つ輸送機「スーパー・グッピー」。今回、その実機を実際に見ることができました。
展示機は1996年までフライト
胴体上部が大きく膨らんだ、異形のルックスが特徴の4発プロペラ貨物機「スーパー・グッピー」は、とある航空評論家に「もっとも醜い航空機」とも評されたこともあるほど、良くも悪くも個性的な機体です。今回、この実機を見てきました。
「スーパー・グッピー」は1965年にデビューした4発プロペラ機。全長が43m、全幅が47mの大きさで、旅客機のボーイング377(B-29の民間派生型)をベースにしています。巨大な膨らみは、“中にロケットを収容する”ため。もともと、西海岸で製作した宇宙ロケットを、東海岸の発射場まで輸送する目的で開発されたものです。
それゆえ同機は大型貨物を積むことが可能で、その貨物室は幅約7.6m、長さ33.8mの貨物を収容でき、機首も110度開きます。
ヨーロッパの航空機メーカーであるエアバスでは、最初の旅客機モデルである「A300」の製造にあたり、欧州各地で作られた翼や胴体などのパーツを組立工場へ輸送する役割のため、この「スーパー・グッピー」を導入しました。なお、現在のエアバスではその役割を、A330旅客機をベースにした「ベルーガXL」が担っています。
エアバスの本社があるフランス・トゥールーズにあるアエロスコピア航空博物館には、エアバスで実際に用いられていた「スーパー・グッピー」のうち1機が展示されています。同博物館の公式SNSアカウントによると、展示機は1996年まで、計1万4110飛行時間、6261回の着陸を記録していたとのことです。
「ベルーガXL」は機体の上部が上に開く構造となっていますが、この「スーパー・グッピー」は機首前部が横に開く構造が特徴的です。コクピットの窓の数も「ベルーガXL」より著しく多く、ギラギラとした銀色ベースの胴体が“金属の風船”感を強く引き立てます。
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