「天皇が思わず列車を止めた風景」いま高速道路に!? 誰でも行ける“聖地”になった超絶景スポットとは
全国の高速道路SA・PAの中でも、夕日の美しさに定評があるのが、北陸道の杉津PAです。ここに来れば、かつて「天皇が列車を止めてしばし眺めた」という絶景を体験できます。実はここ、鉄道に由来するスポットなのです。
上下線で位置が違う杉津PA、そこがミソ
風景がウリの高速道路SA・PAは全国にありますが、なかでも夕日の美しさでに定評のあるスポットのひとつが、福井県敦賀市にある北陸道の「杉津(すいづ)PA」でしょう。実はここ、鉄道に由来するスポットでもあります。
杉津PAは、福井県の嶺南と嶺北を分かつ山中にあり、上下線で位置が異なります。より高いところを通っているのが下り線で、敦賀湾を見下ろす位置にある杉津PAの下り線は、観光庁が後援するNPO法人地域活性化支援センターが「恋人の聖地」に認定しています。展望ポイントには、そのモニュメントのほか、恋人たちが“愛の証”として掛けていった無数の南京錠も。
「大正天皇が行幸の折りに、その美しさにしばらく汽車を止めてご覧になったというほど。天気の良い日は敦賀半島を望むことができる」
「夕日が水平線に沈む頃は、カップルたちには外せないデートスポット」
「恋人の聖地」のウェブサイトではこのように説明されています。“汽車を止めて”とある通り、この地にはかつて鉄道が通り、景勝地となっていました。
下り線エリアの下に見える上り線の杉津PAの場所には、もともと北陸本線の杉津駅があったのです。杉津PAを含む北陸道上り線の一部は、1962(昭和37)年に「北陸トンネル」の開通で付け替えられて廃止となった北陸本線旧線の施設が一部転用されています。
天皇が見たのは、上り線からの風景ということになりますが、遮るもののない絶景は上り線も同じ。それをさらに高いところから眺められるのが下り線というわけです。
ちなみに、「恋人の聖地」は少子化対策と地域活性化などを目的に、「プロポーズにふさわしいロマンティックなスポット」が選定されています。杉津PA下り線では、結婚式を挙げることもできるそうです。
【了】
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