「国際列車ブーム」の欧州で「ボッタクリ国家」にブーイング!? 「遠回りイヤなら金払え」鉄道の追い風に壁 高まる批判

環境にやさしい鉄道がEUで見直され、国際列車の事業が加熱しています。そのなかで、「線路使用料」が高額な国が不評を買っているようです。

ドイツ「通行料が高い関所」で独占維持

 欧州の長距離列車は格安航空や自動車におされ、一度は退潮するかにみえました。その流れが逆回転し、再び長距離列車の旅が沸点を迎える中、透けて見えてくるのがドイツの「独り勝ち」計画です。ドイツは「中欧」という名の通り、9つの国と接し、いわばEU鉄道網の「心臓」。ドイツを通過せずに欧州を横断・縦断すると回り道になりがちです。

 EUでは「列車の運行」と「線路などインフラ管理」を別の会社が行う「上下分離方式」を採用しています。そのため、列車を走らせるためにはその区間の線路管理者に「線路使用料」を支払う必要があります。その足元をみるように、ドイツの線路管理会社である「DB InfraGO」は、160km/h以上の速度でドイツを通過する長距離旅客列車に対し、EU内で最も高額となる「1km当たり14.12ユーロ(約2250円)」の線路利用料を課しています(ドイツ鉄道広報による)。

 東の隣国オーストリアの線路使用料がドイツの約10分の1(1km当たり1.42ユーロ。 オランダの専門紙レイルテック調べ)なのと比べると、ドイツがEU内で「通行料が高い関所」のような存在になっていることが分かります。

 EUでは線路使用料を払えば誰でも鉄道事業に新規参入できることになっているのですが、列車運行会社の参入が進んでいるイタリア、フランス、スペインとは異なり、ドイツ国内の長距離旅客列車の2022年度のシェアはドイツ鉄道が96%(分析会社スタティスタ調べ)。つまり、高すぎる路線使用料が一因で、外国の列車がほとんど直通してこない状況になっています。

 残り4%も、2017年からサービスを提供し始めたドイツの民間鉄道会社フリックストレインなど一部の例しかありません。ヨーロピアン・スリーパーやミッドナイト・トレインなども進出していますが、どちらも夜行の寝台列車に特化しています。

 実は「寝台列車だけ」ドイツ乗り入れしているのには「事情」があります。ドイツ鉄道広報の説明によると、夜行寝台車の線路使用料には「割引」があり、1km当たり2.86ユーロ(約455円)と激安なのです。しかも、夜11時から朝6時までの間に運行すれば、その時間帯からはみ出た運行にも格安な夜間の線路使用料が適用されることから、「新規参入しやすい」ビジネスモデルというわけです。

【画像】えっ…!これが浪漫あふれる「ヨーロッパの国際列車」です

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コメント

1件のコメント

  1. 「東の隣国オーストリア」

    ここだけを見ると、スイスの話かと思います。ドイツの東隣と言えるのは、ポーランドとチェコまでではないでしょうか

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