「鉄道員は”乗せてやる”ではダメ!」100年前から苦言が!? 冷淡・怠慢・羞恥心無し…問題視された昔の仕事ぶり 今は変わったのか?

今や「サービス業」として様々な接遇を求められる鉄道員ですが、昔はもっと怖い印象があった、と言われることもあります。では、100年前の鉄道員は一体どんな仕事ぶりで、どう思われていたのでしょうか。

事故が起きても「知らん顔」意識欠如を指摘する声も

 しかし問題は簡単に解決するものではありません。大正中期に爆発的に増加した輸送需要に対応すべく人員は拡大の一途でしたから、資質で選んでいる場合ではありません。1921(大正10)年発行の『鉄道運輸従業員の為に』は、接客態度にとどまらず、運輸従事者としての意識が欠如していると指摘します。

「今日の鉄道運輸従業員中には羞恥心の甚だしく麻痺しているものが少なくない。真面目でない、過失怠慢を尋常茶飯事のように心得る傾向がある。事故の発生を余りに恐れぬ。(略)進んで事故の過失怠慢を告白するの勇気あるものの如きは殆どないように思う」

 事故がおきても隠蔽し、責任をうやむやにするため原因究明や改善につながらないというのだから深刻です。「これでは社会から重きを置かるるはずがない。(略)鉄道事業者が世間から今少し重視されよう、今少し鉄道からも待遇を得ようとするならば、先以て事故に価値をつけることをせねばなるまい」と変化を促すのです。

 このように、鉄道現業員の「心構え」は今に始まったことでなく、100年以上連綿と受け継がれてきた問題意識だったのです。では100年後もそのまま…とはならないことを願います。

【了】

【画像】まさにカオス…これが地獄の「終戦直後の東京の電車」です

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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