都内「激狭バス通り」バイパス開通の効果は? 環八‐甲州街道つなぐ世田谷の生活道路、所要時間が短縮

榎交差点~仙川の「バイパス開通」で、どう変わった?

榎~駒大グランド間が開通

 東京都は2024年2月21日、世田谷区内で建設を進めている都市計画道路「補助第54号線」のうち、2023年4月に開通した約430m区間(榎交差点~都立祖師谷公園)の開通効果を公表しました。

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開通前の都道118号はすれ違うのも苦労した(画像:東京都)。

 元々ここを通る都道118号調布経堂停車場線は、調布市内の国道20号(甲州街道)の仙川二丁目交差点を起点とし、京王線の仙川駅付近や都道311号環状八号線(環八通り)の千歳台交差点などを経由して小田急線の経堂駅付近に至る道路です。

 甲州街道と津久井道(現在の世田谷通り)の間を通る古道「滝坂道」の道筋を受け継いでおり、かつては江戸湊・青山・渋谷方面と深大寺・府中方面の行き来に使われていました。

 現在は住宅街を通っており、地元の生活道路のほか環八通りと甲州街道を結ぶ抜け道や、成城学園前駅と千歳烏山駅・千歳船橋駅を結ぶ路線バスの経路としての役割も担っています。クルマやバスだけでなく歩行者や自転車の往来も活発です。

 しかし道幅は大変狭く、場所によってはバスだけでなく通常の乗用車でもすれ違いが困難な場所があり、電柱には多くの擦り傷が。そのため歩行者や自転車も含め全員がうまく譲り合わないと通過できない区間があります。

 2023年4月にできた道路は、榎から駒大グランドに下りていく坂に並行して造られた、幅員15m、2車線、両側歩道付きのゆったりとしたバイパスです。

 都によるとこの区間は1日約1万2000台のクルマが通っていましたが、開通後は約9割減少し約1500台に。さらに、環八(千歳台交差点)~成城通り間の所要時間も、開通前の9~13分が、開通後は5~6分に半減したといいます。

 都は、「運転しやすくなった」「すれ違いのストレスがなくなった」といったバス・タクシー事業者の声を紹介しています。

 ただ、“バイパス”は全線が開通したわけではありません。補助第54号線はさらに仙川を渡って神明社の裏を通り成城通りまでの区間で事業が進行中。さらにその先の、都道114号武蔵野狛江線(松原通り)につながる区間も2024年1月に事業認可されています。

【了】

【地図と写真】激変!ゆったりな「補助第54号線」のルートを地図で見る

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