異形の激レア機「エアバスの“頭デカすぎ輸送機”」なぜ神戸ばかり出現? 関西の3番目空港、もう一つの顔
神戸空港は、成田や空港といった大空港ではないにも関わらず、2021年より4度、胴体上部が大きく膨らんだルックスが特徴のエアバスの貨物機「ベルーガST」が飛来しています。なぜ、神戸だけよく来るのでしょうか。
エアバスはベルーガSTで新ビジネス
神戸空港に2024年2月21日、ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスの貨物機で、胴体上部が大きく膨らんだルックスが特徴の「ベルーガST」が飛来してきました。この機は2021年12月、2023年5月、7月にも同空港に飛来してきており、今回が4回目です。なぜ、神戸空港にばかり飛来してくるのでしょうか。
ベルーガSTは旅客機「A300-600」をベースとし、おもにエアバス製航空機のパーツを輸送する目的で作られました。製造は5機のみで、世界的にもレア機のひとつです。特徴的なルックスは、翼などの長尺の荷物を運ぶため。最大で幅7.1m、高さ6.7mの大型貨物を積載できます。「ベルーガ」は「シロイルカ」の意味で、このユニークな外観が由来です。
神戸以外の国内空港でベルーガの飛来実績があるのは、関西、成田などいわゆる大空港に限られます。対して、神戸空港は国内線のみ定期便が就航する空港で、規模はそこまで大きいものではありません。
実はこれまでの神戸空港へのベルーガSTの飛来は、すべて「日本の顧客ヘリコプターを輸送する」という理由です。
ベルーガSTは、後継機「ベルーガXL」の導入にともなって、当初の製造理由である航空機用パーツ輸送の業務から退いています。しかしエアバスはベルーガSTを一般顧客へむけた大型貨物の空輸サービスの担当機として活かす事業を展開しており、神戸空港への飛来もこの一環と見られています。
この新事業は、ベルーガSTが「まだまだ働ける」からこそのこと。サービス開始発表時、これらの機体の離着陸回数に相当する「総サイクル数」が、設計限度である3万回に満たない(サービス開始時1.5万サイクルと公開)ことが背景にあります。
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