なんと通算「200番艇」!? 海上保安庁の最新巡視艇「ゆめかぜ」引渡し “東京湾の用心棒” 担う性能とは
ジブチでも活躍する「ゆめかぜ」姉妹船
式典では第三管区海上保安本部の松居伸明船舶技術部長が石井昌平海上保安庁長官の訓示を代読。「本船はこれから重要臨界施設が多数存在し、多くの船舶が運航する東京湾をはじめ、この優れた捜索監視能力と情報伝達能力を生かし、海難救助、海上犯罪の取り締まり、海上交通の安全確保など、さまざまな海上保安業務に就くことになる。地域の皆様はもとより、国民の皆様の安全安心に大きく寄与できるものと確信している」と述べました。
さらに乗組員に向けて、「海上保安庁に課せられた任務の重要性を改めて認識し、本船の持つ優れた能力を発揮できるよう研鑽に努め、地元関係者の期待はもとより、国民の皆様の負託に応えるべく、安全運航を大前提に業務に邁進していただきたい」と激励するとともに、「乗組員諸君は、我が国周辺海域を巡る情勢が緊迫する中で、海上保安庁に課された任務の重要性を改めて認識し、本船の優れた能力を遺憾なく発揮できるよう研鑽に務めると共に、国民の負託に存分にこたえられるよう業務にまい進してほしい」と訓示していました。
なお、ひめぎく型は汎用性の高さから放射能調査艇「きぬがさ」型などのベースとなっています。日本だけでなく海外でも活躍しており、国際協力機構(JICA)が設けた無償資金協力「海上安全能力向上計画」の一環として、墨田川造船で建造された同型船2隻が、2015年にジブチ沿岸警備隊へ引き渡されています。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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