ロシア空軍「痛すぎる損失」の影響は 相次ぐ早期警戒機の撃墜 残った機体や搭乗員は今後ヘロヘロに?
保管状態にある機体を引っ張り出す可能性も?
英国防省「残る機体と搭乗員の疲労が激化するのは確実」
イギリス国防省は2024年3月2日、ロシア空軍が2機目の早期警戒管制機A-50を喪失したことに伴い、同機の飛行を停止した可能性が高いと発表しました。
A-50は偵察や空中目標の検知、ミサイル攻撃のターゲットの検出などが主な任務で、機体にレーダードームを搭載しているのが特徴。ウクライナへの全面侵攻開始以降、「空の司令部」として広い探知範囲を活かし、ロシア空軍の航空作戦にレーダー監視能力を提供してきました。
ロシア軍はこの機を1月14日と2月24日に立て続けに失っています。これまでA-50は8機配備されていましたが、そのうち2機を失ったことで、残っている機体は6機とみられます。
イギリス国防省は、A-50の防護失敗や、ウクライナ軍の防空兵器の脅威を軽減する方法に関する内部調査が行われている間、飛行停止措置は続くと指摘。ロシア軍の航空作戦に日常的な指揮統制能力を提供してきた機体の損失は、航空機搭乗員の状況認識能力を大幅に低下させる可能性が高いと評価しています。
また、ロシアは航空機を転用したり、地上軍が必要とする航空支援を提供するために、より大きなリスクを受け入れる必要があると分析しています。
A-50が運用に復帰した場合、残る機体と搭乗員の疲労が激化するのは確実としています。この問題を解決するために、ロシアが保管状態にある機体の運行を再開させようとする可能性は現実的だとの見解を示しました。
なお、ロシアの国営メディアであるタス通信は、国営企業ロステックのセルゲイ・チェメゾフCEOが2月29日、A-50を再生産する方針について言及したと報じています。
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