米海軍イージス艦に「ダンボの耳」追加!? 取ってつけた巨大な張り出し これぞ“超能力”の証!

最近、アメリカ海軍のイージス駆逐艦の1隻に新たなアップデートが施されました。外見上では、艦橋の左右に巨大な張り出しが追加されたようですが、ここに搭載する電子戦システムがキモだとか。どんな性能向上が図られたのでしょうか。

『ダンボ』の耳部分にどんな性能アップの秘訣が?

 駆逐艦「ピンクニー」に増設されたAN/SLQ-32(V)7は「水上艦艇電子戦能力向上プログラム ブロックIII(SEWIP Block III)」の一環で開発された新型の電子戦システムで、これまでアメリカ海軍で運用されてきた同種の装備とはその性能が全く異なります。

 そもそも、電子戦とは相手が使用するレーダーや通信システム、ミサイルのシーカーなどから発せられる電波を傍受し、それを解析して妨害電波を発信し、これを無力化するというものです。

 SEWIP Block IIIでは、相手が発する電波の種類やその位置をこれまでよりも正確に分析することができます。妨害に関しても、電波の送受信部を「アクティブ電子走査アレイ(AESA)」アンテナとすることにより、細いビーム状の電波を形成してピンポイントかつ強力な電波妨害を全方位の目標に対して行うことができます。

 また、SEWIP Block IIIはソフトウェアベースのシステムであるため、仮に新たな脅威が登場したとしても、それに対応する新たなソフトウェアを開発してインストールすることで、物理的な変更を一切加えることなくこれに対応できるようになります。

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開発元のノースロップ・グラマン社でテスト中のSEWIP Block III(画像:ノースロップ・グラマン)。

 しかも、今後はSEWIP Block IIIを他の艦艇や航空機などと情報を共有するための通信システムとして、あるいは接近する敵を探知するためのレーダーとして、活用することも可能になるとか。

 現在のところ、アメリカ海軍はこの能力向上改修を「ピンクニー」を含めた4隻のアーレイバーク級に対して実施する計画です。もしかすると、いずれ改修を受けた艦を日本でも見ることができるようになるかもしれません。

【了】

【一目瞭然!】見比べたらわかる 『ダンボ』の耳みたいな駆逐艦「ピンクニー」の張り出し(写真)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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