世界で売れまくり「ホンダジェット」、次の野望は? アジア最大の航空ショーもはや常連 その背景に「売行きの傾向」が
「ホンダジェットの受注数」実は国によって傾向あり?
ホンダジェットがシンガポール航空ショーの“常連”であるのは、アジア地域での販売を増やしたい戦略があるからです。
ホンダによるとこの機のもっとも多い納入先は北米、それについでアジア地域とのこと。現在最大のカスタマーは日本で、2018年に1号機が納入されて以降16機です。今後も成長が見込まれるアジアにおいて、日本以外に広く販売を拡大させるため、アジア最大の航空ショーであるシンガポールで出展を続けているのです。
もちろんホンダ側は、ただ売り込みを続けているだけはなく、機体のシリーズ化にも取り組んでいます。
2023年10月には、2026年の初飛行を目指す新型機の名称を「ホンダジェット・エシュロン」と発表しました。「エシュロン」は、これまでより最大離陸重量が重くなる一つ上の「LJ(ライト・ジェット)」にクラス分けされる機体で、11人を乗せて北米大陸を横断できる性能となります。
開発と並行して、今後の成長市場であるアジアに照準を定めていることから、将来は日本のみならず近隣国でもフロントに「H」を付けた自動車と同じようにホンダジェットを見ることができるかもしれません。
【了】
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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