新幹線に「踏切」…ってなんで? 西日本の人は特に違和感? 山形新幹線の安全対策とは
ダイヤ改正をもって新型車両が導入される山形新幹線には踏切が存在します。特に西日本在住の人は違和感を持つようですが、なぜ踏切があり、また安全対策はどう講じられているのでしょうか。
踏切を300km/hで快走するわけではない
2024年3月16日(土)のダイヤ改正で、山形新幹線へ新型E8系電車が導入されます。400系、E3系に続く3代目の車両で、特に最高速度が300km/hへ引き上げられる点が注目です。
山形新幹線は、福島駅で東北新幹線と別れ、米沢駅や山形駅を経由し新庄駅を目指します。ただし新幹線とはいえども、福島駅からは在来線の奥羽本線を走るため、「ミニ新幹線」という位置づけです。
在来線には踏切があるため、山形新幹線の車両も当然そこを通過することになります。東海道・山陽新幹線や九州新幹線には車両基地への導入部を除いて踏切がないため、「山形新幹線で踏切事故が発生した」といったニュースがあると、西日本の人を中心に「なぜ新幹線に踏切があるのか」といった声が聞かれます。
なお安全対策の観点で、奥羽本線に入ってから山形新幹線の列車は最高速度が130km/hに制限されます。E8系導入による速度引き上げは、東京~福島間の東北新幹線内で本領発揮するのです。
ほかにも山形新幹線の踏切では、特に大きな道路との交点で、踏切の存在が認知されるよう工夫がなされています。それは“門”の存在です。通常の遮断機に加え、鉄製の構造物が踏切手前に建っています。警報灯や標識が取り付けられ、ドライバーへ注意を促します。
門の大きな役割はもうひとつあります。それは全高の高いクルマが架線に触れるのを防ぐこと。新幹線の電圧は交流2万ボルトと、通常の電車よりも大きいのです。万が一の際は、架線に触れる前に食い止めようというものです。
ちなみに新幹線の踏切は、同じくミニ新幹線の秋田新幹線(盛岡~秋田)にも存在します。
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新幹線専用区間と青函トンネルは交流25000V、新在併用区間は交流20000V。福島駅や盛岡駅で電圧が変わるのでしょうか?