どうなる「九州の玄関口」再開発が大揺れ “海外企業が撤退”さらに“鉄道遺構が出土” 門司港レトロに見合う姿になるのか
レトロな建物が立ち並び観光客にも人気の「門司港」、その駅前一等地の再開発が二転三転しています。旧JR九州本社ビルの活用は、事業者に選ばれた海外企業が撤退したうえに、駅前で貴重な「鉄道遺産」が出土。今後どうなるのでしょうか。
でてきた遺構「一部保存はいらない」
北九州市の武内和久市長は一部を移築して保存する方針を示していましたが、産業遺産学会などは現地保存を要望。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関として世界遺産登録の審査などを行っているイコモス(国際記念物遺跡会議)の日本支部「日本イコモス国内委員会」も、「国の史跡指定を目指し、遺産群の全体を現地で適切に保存」することを求めました。
さらに北九州市は一般会計補正予算案に旧門司駅関連遺構の移築費用として2000万円を盛り込みましたが、北九州市議会では市側の説明不足やプロセスを疑問視する声があがり、移築費用を削除する修正動議を賛成多数で可決しています。これにより遺構を移築するための工事は行えなくなりました。
武内市長は「一部保存はいらないというのが、議会の皆様の議決」と説明。市議会の主要会派から「複合公共施設整備は計画通り現地で進める。遺構については重要と思われる箇所で、遺構の存在が確認された場合、発掘調査と記録保存を行う。ただし文化財指定に向けた価値付けは求めない」ことが事実上確認できたと述べています。
「旧JR九州本社ビル」と「複合公共施設整備」。いずれも門司という土地で培われた歴史が尊重される決着になることが望ましいでしょう。門司港駅前の一等地を巡る動きから目が離せません。
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