「オスプレイは欠陥機」論、なぜ未だに残る? “犠牲者数=危険”は間違い 数字が示す根拠

2023年秋に鹿児島県沖でアメリカ軍の「オスプレイ」が墜落して以降、続いていた飛行停止措置が2024年3月上旬に解除されました。その間「オスプレイ」は危険であるという言説が出ていましたが、本当なのでしょうか。

犠牲者の総数で危険性を図るのは不合理

「オスプレイ」で最も犠牲者が多かったのは2000年4月8日の墜落事故です。このときの死者数は19人ですが、「オスプレイ」に一切の機械的な故障はなく、原因はパイロットの操縦によって「ボルテックスリングステート」に入ってしまったことでした。

「ボルテックスリングステート」とは自機の回転翼が発生する降下気流であり、これは「オスプレイ」固有の問題ではなく、あらゆるヘリコプターで発生する可能性があります。

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2023年10月1日、木更津航空祭で飛行展示を行う陸上自衛隊のV-22ティルトローター輸送機(乗りものニュース編集部撮影)。

 他にも、2011年7月7日および2014年10月1日に起きた飛び降りによる転落や、2017年7月11日にあった整備中の落雷など、死亡事故には不可抗力的な要因によるものも含まれます。

 こうして見てみると、航空機の安全性を評価する際には、単純な数値だけではなく、各墜落事故それぞれを精査する必要があると言えるでしょう。

 ちなみに、2024年現在「オスプレイ」は世界で唯一の実用ティルトローター機ですが、ティルトローター機であることに起因する機械的要因での死亡事故は1件も発生していません。

【了】

【大統領専用オスプレイ?】「マリーン・ワン」ソックリの塗装をまとったV-22(写真)

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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