「軽自動車は高齢者の必需品」「免許返納ムリ」 家族は言い出せない? “移動のジレンマ”浮彫りに

日本自動車工業会が2023年度「軽自動車の使用実態調査」の結果を公表。60歳以上の利用が多数を占め、これらの人々が「ほとんど毎日」使っていました。調査した自工会は「軽はライフライン」人口密度の低いところほど切実と分析します。

免許返納する気ナシ 家族は?

 ウェブ調査では、新車購入を検討する人に、実際にどのような判断をしたのかを聞いています。その結果、25%が新車を購入し、26%が中古車に変更。それ以外は購入を延期、断念したと答えています。購入者は価格に敏感に反応しています。先進安全技術や装備が重要であるとわかっていても、どこまでそれを購入検討に入れることができるか。

「そういった装備をつけている人は稀で、場合によっては価格の面で高くなりそうということで、ついていないグレードをあえて選んだ方もいらっしゃいました。軽自動車の一層の予防安全装備(の技術開発)に加えて、安心して先進安全装備の充実した車両へ乗り換えられるよう、認知・理解・促進の活動が必要であろうという結論に至りました」(前同・村木氏)

 高齢者の運転事故を減らすために免許返納を増やすべきという意見もありますが、地方では単純な解決には至りません。調査ではグループインタビューで、返納の意向を運転者に聞いています。村木氏です。

「70代の免許返納前の高齢者にインタビューしたところ、生活の足として日常的に運転していて、視力や判断力に衰えを感じて夜間や雨のときは運転をやめているが、生活必需品ということで全く免許返納を検討しない、というような意見が多かったです」

 また、運転する高齢者を見守る家族にも話を聞いています。

「高齢者の事故のニュースを見て他人ごとではないという不安を持っている方が多く、その一方で、親が自分で運転していろいろな所に出かけることが生きがいであろうから、なかなか言えない、返納をすすめられない、そういったジレンマに陥っているということがありました」(同)

 このほか調査では、軽自動車が仕事を持つ女性に高い支持を得ていることも浮き彫りにしています。

 人口減少、超高齢社会で存在意義を示す軽自動車。今後も問われ続けるのは、誰もが手に入れやすい安全性かもしれません。

【了】

【軽自動車「廃止」】それが絶対にできない理由(画像)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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