「世界一高価な飛行機」ズラリ 異例の“お金かけすぎ演習”米空軍が実施 いったいどんな意義が

自衛隊も行う「エレファント・ウォーク」やる意義は?

 複数の軍用機が滑走路を並んでタキシングする今回のような演習は、大きな軍用機の隊列を象の群れにたとえて「エレファント・ウォーク」という通称で呼ばれたりもします。

 とはいえ、一見すると非常に壮観な本演習ですが、その趣旨はたんなる広報写真の撮影会などではなく、実施される基地や飛行隊の能力を確認するためという意味合いもあり、立派な訓練でもあるのです。

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専用ハンガーから発進するB-2爆撃機。手前にはそれを支援する整備員が機体にハンドサインで合図を送っている(画像:アメリカ空軍)。

 エレファント・ウォークでは実際にパイロットが乗り込み、搭載するエンジンを動かして離陸直前の滑走まで行います。そのために機体が可動できる状態まで整備し、それらを動かす乗員と整備員も機数分だけ揃える必要があり、参加した航空機の機数は、その部隊や基地の運用能力を示すバロメーターともいえるでしょう。

 今回の「スピリット・ビジランス2024」に参加したB-2の場合、機体こそ大きいものの、配備数は少なく、またステルス爆撃機ゆえに整備作業とコストも割高で、稼働率も他の軍用機と比較して低いという指摘があります。

 そんな負のイメージを払拭し、ホワイトマン空軍基地の即応性の高さをアピールするという点では、今回の「スピリット・ビジランス2024」の連なったB-2の群れは最高の宣伝材料になったといえるでしょう。

【了】

【アメリカの力の象徴!】日本じゃありえないズラリ並んだステルス爆撃機たち(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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