待望! F-16戦闘機を手にした「金欠大国」再びイギリスを攻めるか? 過去も未来もカネ次第と言える理由
単純計算では1機あたり10億円!
さすがに、これではマズいと悟ったのか、2023年にF-16の導入が決定。単座型のF-16AM 18機、練習機を兼務する複座型のF-16BM 6機、合計24機を約3億2000万ドル(約460億円)で購入する契約が2024年4月16日に締結され、アルゼンチン空軍は再び超音速ジェット戦闘機を保有することになったのです。
このパッケージには機体のほか、シミュレーターや兵装などの付帯装備も含まれています。機体価格が全体の約半分を占めると仮定すると、単純計算で1機あたりの価格は約10億円となることから、この種の戦闘機としては非常にリーズナブルな価格で取得できたと言えるでしょう。
2024年現在、フォークランド諸島にはイギリス空軍の分遣飛行隊が、領空防衛のために英本土から派遣・駐留しています。この分遣隊にはユーロファイター「タイフーン」戦闘機が配備されていますが、アルゼンチン空軍がF-16を導入することにより、航空戦力が拮抗する可能性があります。
イギリスは、戦闘機用の射出座席や電子機器、いわゆるアビオニクスの分野で大きな市場シェアを持っているため、アルゼンチンに対して引き渡し禁止にするなどの手段で、アルゼンチンが新たに戦闘機を導入できないよう、その計画を阻止してきました。
そのためイギリスにとってはあまり好ましくない決定であると推測されますが、筆者(関 賢太郎:航空軍事評論家)はアルゼンチンがF-16を導入したからといって、それが直接的に戦争の再発へとつながる可能性は低いと考えます。
コメント