プーチン氏が“やられると困る”作戦とは? 「第三国でも攻撃するぞ」発言の真意 ウクライナのF-16登場を前に

ウクライナが間もなく運用を開始するF-16戦闘機について、ロシアのプーチン大統領が近隣諸国から出撃したら、そこにも攻撃を加えると発言しました。しかし、振り返ると同じことはロシア自身が行っていたのです。

ウクライナ向けのF-16は現状何機ある?

 ロシアのプーチン大統領は2024年3月27日、NATO(北大西洋条約機構)諸国がウクライナへの供与を決めているF-16「ファイティングファルコン」戦闘機について「仮に配備されたとしても、戦車や装甲車などと同じように撃破するだけだ」と述べ、さらに「ロシアにはNATO諸国を攻撃する計画はないが、F-16が第三国の航空基地から使用されるのであれば、どこに配備されようとそれは攻撃対象となる」と発言しました。

 NATO諸国の軍事支援に対して攻撃や報復をほのめかす発言は、プーチン大統領を始めとしてロシア政府関係者からたびたび出ており、これまでも戦車や「HIMARS」ミサイルランチャーなどの供与が決定した際にも行われていました。そのため、特別な事情は見出せず、ある意味で通常の反応であると言えるのかもしれません。

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F-16「ファイティングファルコン」戦闘機。写真はオランダ空軍の機体で、同国はウクライナに供与を明言している国のひとつ(画像:ウクライナ空軍)。

 とはいえ、なぜロシアはF-16を第三国から出撃されたくないと考えているのでしょうか。もしかしたら、航空戦における「ある巧妙な手法」を回避したいという思惑が隠されている可能性もあるようです。

 ロシア空軍は、約1000機もの戦闘機を保有し、かつ強力な地対空ミサイル防空網を持っています。それに対し、ウクライナへの供与が決まっているF-16は2024年4月現在、60機程度であるため、同機の配備が即座にロシアにとって致命的になるとは考えられません。それでも戦闘機は、少数であっても地上戦にけっして小さくない影響を与える可能性を含んだ兵器です。だからこそ、ロシアにとってF-16は最優先で排除したい標的となるでしょう。

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