「駅窓口をほぼ全廃します」 過激コストカット案に「窓口難民」が猛反発! 日本以上に“社会問題化”した英国「切符販売」の顛末
政府支持にもめげずに猛抗議
まず立ち上がったのが、英国運輸事務職労働組合(TSSA)です。各鉄道会社は、「閉鎖した窓口の職員は、かわりに駅構内を巡回して切符が購入できなくて困っている人を助ける仕事に就く」と説明し、「鉄道会社の従業員が不当な扱いを受けることはない」となだめようとしましたが、人員削減につながるに違いないと警戒したTSSAは激しく抵抗を示しています。
「窓口で切符を買う人は1割」と聞くと、確かに窓口を閉鎖してもさほど問題でもないと考えがちですが、「政府の嘘を暴く」とTSSAがモノ申したところによると、実際には、2023年の窓口での切符・定期券の購入件数は計3億6000万件にも上るそうです。
窓口廃止を推進するRDGは負けずに応酬し、現在窓口で販売している切符・定期券販売の99%はネット販売や券売機で対応可能だと主張。これには「視覚障害者に自販機を操作するのは無理だ」と障害者団体などが猛抗議したり、「老人と障害者に対する差別」と年金受給者を代表する組織の英国年金生活者会議(The National Pensioners Convention)が声を上げたりして、人権問題にまで発展しています。
窓口存続の署名活動や、ロンドンでの運輸省前から首相官邸前までのデモ行進、ロンドンを含む4都市25か所でのデモ隊一斉蜂起など、あの手この手で直訴し、社会を揺るがす事態となりました。
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