思い切ったー!!「中学生以下は無料」 全国初の太っ腹施策で活性化なるか 日本一の赤字地下鉄
利用促進のための社会実験路線へ
2024年現在は、長田区が9万2604人、兵庫区が11万3人であり、震災前の人口には戻っていないのが現状です。震災からいち早く復興したJR神戸線や、営業エリアが重なるJR和田岬線からの乗客転移が予想ほど進まなかったことなど様々な要因が重なり、海岸線の利用客数は伸び悩みます。
開業前に予測されていた初年度の利用客数は8万人、2005(平成17)年には13万人とされていましたが、遠く及ばず、これまで最大だった2019年でも5万1400人に留まっています。こうしたことから、経営努力で赤字幅が3分の1まで圧縮されてはいるものの、現時点では日本の地下鉄で最も赤字額が大きい路線です。
このような状況を受け、海岸線では2009(平成21)年より、利用促進のための社会実験が行われました。2回分の乗車券と沿線施設優待券をセットにした「都心回遊切符」や、1日乗車券である「“乗っ得”1dayパス」、駅間距離1km以下の区間は大人110円、小児・敬老60円で利用できる「1キロきっぷ」の販売などです。
そして現在でも行われているのが、冒頭で紹介した「海岸線中学生以下フリーパスポート」です。学生証などで身分を証明すれば、定期券発行所で発行できます。
もともと神戸市営地下鉄では、土休日などに「大人1人につき、小学生以下2人まで運賃無料」という「エコファミリー制度」を実施していますが、海岸線はさらに踏み込んだわけです。
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