思い切ったー!!「中学生以下は無料」 全国初の太っ腹施策で活性化なるか 日本一の赤字地下鉄
利用客からの反響は?
子ども運賃の大幅値下げは、小田急電鉄が2022年より、ICカード利用に限り一律50円を打ち出し話題となりました。これは鉄道収入ベースで小児運賃収入の割合が1%未満であることから実現できたものですが、無料というのは類を見ません。
なぜ、このような施策を行っているのか、神戸市交通局の広報に質問してみました。
――なぜ海岸線では、中学生以下無料施策をしようと考えたのですか?
海岸線沿線の市街地西部地域に若年世代や子育て世帯の交流・流入・定住促進、沿線地域活性化を目的に、2017年7月から実施しています。当初は社会実験として実施してきましたが、事業継続が今後の人口動態にプラスの影響を与えると期待できることから、2023年4月より本格実施に移行しました。
――施策実行後に、お客様からどのような反響をいただきましたか?
直接お客様からのご意見をいただいたわけではありませんが、社会実験期間中に実施したアンケート調査では、約7割の方に「フリーパスがあることによって地下鉄海岸線沿線地域に住みたい・住み続けたい」と回答いただき、約9割の方に「フリーパスがあることによって子育て世帯や子どもに優しい地域という印象につながると思う」と回答いただきました。
※ ※ ※
筆者(安藤昌季:乗りものライター)の私見と前置きしますが、世界一高い平均年齢である我が国では、子どもへの優遇措置は理に適ったものだと思います。海岸線の試みが社会的成功を収め、ほかの地域に拡大していくことを期待します。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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