もうガタガタ「ロシア黒海艦隊」どう立て直す? 地中海は通れません 軍艦送り込むための“裏ワザ”ルートとは

ウクライナによる度重なるドローンやミサイル攻撃でかなりの隻数を喪失しているロシア黒海艦隊。バルト海などから新造艦を送り込むためのルートは、地中海経由以外に、内陸を通るパターンもあるようです。どういうことでしょうか。

「母なるボルガ」を使いロシア平原を縦横無尽

 水路の主軸は、ロシア国民が「母」と呼び、同国南部のカスピ海に注ぐボルガ河で、河川や湖沼が無数の運河で繋がり、まるで毛細血管のように、大陸に巨大な水運ネットワークを形成しています。

 水路ルートをバルト海からたどると、バルチック艦隊の本拠地であるサンクトペテルブルクの中心を流れるネヴァ河を東へと遡り、120kmほど航行すると、琵琶湖の約26倍の面積を誇るラドガ湖に到達します。

 今度は同湖に流れ込むスヴェリ河に入って、琵琶湖の約14倍の大きさのオネガ湖を目指します。同湖に入ったら南に針路を変え、ヴィテグラ河~シュクスナ河~ルイビンスク人工湖と進んで、いよいよ「母なるボルガ」と連絡します。

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ナヌチュカ級コルベット。小型の船体ながら57mm速射砲や短距離艦対空ミサイル、艦対艦ミサイル6基などかなりの重武装(画像:ロシア国防省)。

 やがてボルガ河畔の中心都市、ボルゴグラード(旧スターリングラード。ここは第2次大戦時の激戦地)に到着です。

 この街の南郊で、接続しているボルガ・ドン運河へ入ると、この先で運河は西に方向を変え、100kmほどで、もう1つの大河であるドン河に出られます。

 ここからは、あと約400km下れば、ウクライナに侵略したロシア軍が拠点を置く、ロストフ・ナ・ドヌーに到達します。こうして、黒海の一部であるアゾフ海まで来ることが可能です。

 スタート地点であるバルト海に面したサンクトペテルブルクから、ゴールであるロストフ・ナ・ドヌーまでの行程は約1500km、モスクワを中心とした地域の東側部分を半径1000~2000kmの弧を描いて貫く一大水路だといえるでしょう。

 この「バルト―黒海水路」に加え、オネガ湖から枝分かれする格好で、白海(北大西洋バレンツ海の一部)・バルト海運河を進めば、約200kmで今度は白海に達します。

 こうした水路は、現在も経済性に優れた物流ルートとして重要視されており、石炭や鉄鉱石、木材、穀物など、重くてかさむ割には値段が安く、腐りにくい荷物の輸送に重用されています。仮にバルト海~アゾフ海を平均10ノット(約19km/h)で航行すれば、1日約500km進み、単純計算では休息・補給を考えても4~5日で到達できるでしょう。

【モスクワ東方を大きく迂回】これが母なる大地を突っ切る「裏ワザ」です

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