「箱根山戦争」から激変!? “新参者”が打ち出した令和の新・遊覧船 箱根をどう変えるのか

かつて箱根を舞台に繰り広げられた交通事業者間のシェア争い「箱根山戦争」から60年近くが経過。その舞台では“役者が交代”しました。西武vs小田急の構図から、西武に代わって登場したのが「富士急」です。

箱根に「富士急」 ファーストインパクトとしての新・遊覧船

 富士急グループは2024年6月4日、2月に運航を開始した箱根・芦ノ湖の遊覧船「箱根遊船 SORAKAZE」のプレスツアーを行いました。

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船内から蔦が生い茂る異色の遊覧船「SORAKAZE」(乗りものニュース編集部撮影)。

 SORAKAZEは1980年代に製造された「はこね丸」をリニューアルしたもの。「芦ノ湖に浮かぶ緑の公園」がコンセプトで、甲板に芝生を育成したり、船尾に蔦を生やしたりと、船としては異質とも思える要素が盛り込まれています。就航地の一つ箱根園港に到着した際は、桟橋の背後の芝生と、船のデッキ上の芝生があたかも連続しているかのような錯覚すら覚えます。

 船内も、靴を脱いで入るキッズスペースや小上がりスペース、ハンギングチェア、富士山型の赤いソファー席などが配置され、それは船というより幼稚園や保育園の教室のようです。

「以前の『はこね丸』は、同じ座席がズラリと並んでいて、まさに“昭和”の詰め込み型。最大定員は700人でしたが、そんなに入ることはないし、バリアフリーにもなっていなかったので(リニューアルで)500人規模に減らしています」

 こう話すのはSORAKAZEのデザインを担当した工業デザイナーの川西康之さん。JRの特急「やくも」など数々の鉄道車両や駅、船のデザインなどを手掛けてきました。「浮かぶ公園」というコンセプトは、「箱根は平地が少ないため子どもが遊ぶところがありません。ならば、船を公園にしよう」という発想だといいます。

 とりわけ思いを込めて説明してくれたのが、他でもない甲板の「芝生」です。手間のかかる天然芝か人工芝かで富士急側と決めかねていたところ、川西さんが堀内光一郎社長に直接お願いをして実現したものだとか。

「この芦ノ湖は湧き水で満たされているきれいな湖で、船のペンキ1滴もこぼすことは許されません。人工芝は劣化すると、どうしてもプラスチックゴミが出て湖に流れてしまうので、それは避けるべきだと(堀内社長に)話しました。地域のみなさんは、富士急さんを見ていますよ、と」

 実は富士急グループは、最近になって“悲願の”箱根進出を果たしました。広報担当者は社長の言葉としたうえで「新参者として、箱根の流儀を学ばせていただく立場」だと説明します。

 その富士急の箱根進出をアピールする「最初のインパクト」として位置付けられたのが、この箱根遊船のリニューアルプロジェクトなのです。

 そしてこの船、もともとは西武グループの所有でした。

【驚愕!!】ここまで変わった新・遊覧船「SORAKAZE」の内部(写真)

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