「箱根山戦争」から激変!? “新参者”が打ち出した令和の新・遊覧船 箱根をどう変えるのか

まだまだ西武と小田急の“聖域” そしていろいろ「昭和」!

 富士急グループが箱根に新規参入したとはいえ、遊覧船が発着する箱根関所港や元箱根港は今も伊豆箱根バスが走っており、富士急はあくまで遊覧船のみを運営。遊覧船でたどり着く「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」をはじめ箱根園港周辺の観光施設も、西武グループのままです。

 そして、遊覧船自体もそうですが、多くの施設が昭和につくられ経年しています。その中身も、昭和の名残を色濃く残したものです。

 また、「戦争」の影響も完全に払しょくされたわけではありません。小田急系の「箱根フリーパス」は相変わらず箱根遊船では使えず、伊豆箱根バスにも乗れません。当然といえば当然かもしれませんが、未だ小田急系の施設マップには、箱根遊船の航路も描かれず、富士急の箱根遊船のマップにも小田急の箱根海賊船の航路は描かれません。

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箱根関所港に発着する伊豆箱根バス。陸上はまだまだ“西武”だ(乗りものニュース編集部撮影)。

 そうしたなかで、箱根遊船を手にした富士急はさらなる拡大に乗り出そうとしています。ひとつは、箱根遊船の「湖尻港」までの延長運航です。

 箱根園港の北に位置する湖尻港は伊豆箱根鉄道の時代から発着しなくなっていましたが、港のレストハウスなども富士急へ譲渡されており、富士急は航路の復活を計画しているといいます。「ここは駐車場も広く、団体や自家用車のお客様を呼び込めます」(宣伝部)とのこと。箱根に富士急のバスなどは通っていなくとも、「ほとんどクルマのお客様」だといいます。

 箱根の「新参者」富士急の事業展開は、これから本格化しそうです。

【了】

【驚愕!!】ここまで変わった新・遊覧船「SORAKAZE」の内部(写真)

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