もう秒読み!エアバス新型旅客機就航で「新路線続々登場」か? キモの「11時間通路1本の機体で飛ぶ」どう実現

開発の最終段階に入り、就航が秒読みになったエアバスの新型機「A321XLR」は「単通路機最長の航続距離」のコンセプトを持つユニークなモデルです。その強みにはどのような意味があり、それをどう実現しているのでしょうか。

航続距離は約8700km

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2024年5月末、開発中の新型機「A321XLR」の飛行試験、および実用化に不可欠な「型式証明」の認証が最終段階に入ったと発表しています。この機体は通路1本の「単通路機」ながら、約8700km(4700海里)の長い航続距離を持つことを強みとしたユニークなモデルです。

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エアバス「A321XLR」(画像:エアバス)。

 A321XLRは、エアバスのベストセラー旅客機、A320ファミリーの最新派生型です。同機はA320胴体延長タイプ「A321neo」をベースとし、航続距離の延長が図られています。型番末尾の「XLR」は「エクストラ ロング レンジ(超長距離)」の略です。

 A320ファミリーは比較的小ぶりで汎用性の高いサイズ感から、老舗航空会社はもちろん、LCC(格安航空会社)などでも導入されています。一方で、これまでは中長距離国際線は通路が2本ある「ワイドボディ機」があてがわれることが一般的で、A320ファミリーは短距離路線を担当するケースが多く、それゆえ、航続距離もそこまで求められませんでした。

 A321XLRの航続距離である約8700kmについて、同社は「単通路型で最長」としており、飛行時間で換算すると11時間とのこと。たとえば、東京を起点とすると、シドニーやデリー、アンカレッジ(アラスカ)までノンストップで飛行が可能としています。

 このことで、これまで需要の有無から開設にリスクがあるとされてきたような新たな長距離路線にも就航でき、路線ネットワークを広げやすくなる――というのが、開発の狙いのひとつ。また、既存のA320ファミリーを保有する会社にとってA321XLRはパーツなどを共用できるため、導入コストも低くて済むというのもポイントです。

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