「世界最大の戦車砲」どんだけビッグ? 新型140mm砲もまだまだ小さい!? なぜ巨砲は消えたのか

規格外の大きさ! 史上最大の砲

 ここまで挙げた砲は、確かに冒頭の140mm砲より大口径ですが、主砲の威力はそれ以外に、「射程(射距離)」や「命中精度」、「発射速度」など様々な要素の複合的な組み合わせによって決まります。もちろん使用される砲弾によるところも大きいため、単純に比較はできません。

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152mmガンランチャーを装備するアメリカのM551「シェリダン」空挺戦車(画像:アメリカ陸軍)。

 なお、史上最大口径の砲は、第2次世界大戦末期にアメリカが開発した「リトルデーヴィッド」です。これは迫撃砲で、口径は36インチ(914mm)もありました。口径だけ見れば旧日本海軍が建造した世界最大の戦艦「大和」「武蔵」が搭載した46センチ砲の約2倍もの大きさです。

 しかし、試験中に日本が降伏し第2次世界大戦が終結したため、必要とされなくなった結果、1946(昭和21)年に開発中止となり、試作のみで終わっています。

 ちなみに陸上自衛隊が運用する戦車は、90式戦車と10式戦車の2種類で、ともに120mm砲を搭載しています。このたびの「ユーロサトリ2024」で展示された140mm砲などを日本で目にする日は来るのでしょうか。

【了】

【アンバランス…】これが「戦車の母国」が製作した史上最大の戦車砲です(画像)

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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