戦艦が「うっかり爆沈!」実はけっこうあった? 史実が語る旧日本海軍のガバナンス

116年前の7月12日、旧日本海軍の戦艦「河内」が爆沈しました。この事故以外にも旧日本海軍は度々、艦艇を爆沈させていましたが、ほとんどが闇に葬られていました。

乗組員が衝動的に起こしたケースの方が多い?

「筑波」の爆沈は人為的なものだと推測されており、窃盗の容疑をかけられた水兵が自暴自棄になり、火薬庫に放火したものと目されています。

「三笠」の場合は日本海海戦でも威力を発揮した「下瀬火薬」の変質という節がある一方で、当時水兵間で流行していた信号用アルコールに火をつけたのち、吹き消してにおいを飛ばして飲むという悪戯の最中に、誤って火のついた洗面器をひっくり返したことが原因とする説もあります。

 日本海軍は太平洋戦争中の1943(昭和18)年6月3日にも、戦艦「陸奥」を爆沈で失っています。「陸奥」の爆沈は当初、対空戦闘用の三式弾の自然発火が原因ではないかと疑われましたが、調査の結果その可能性は低く、窃盗の容疑をかけられた水兵による放火や、いじめを受けた水兵による放火などの人為的要因が有力視されています。

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爆沈事故を起こした「陸奥」の就役直後の姿(画像:パブリックドメイン)。

 自暴自棄や悪戯の果てに多額の税金をつぎこんで建造した艦を失うという事態は、日本海軍のみならず現代の海軍、海上自衛隊にも起こりうることです。日本海軍の戦艦爆沈の原因は多くはうやむやされていますが、それが日本海軍をダメにした一因だと筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思いますし、海上自衛隊にはその轍を踏んでほしくないとも思います。

※一部修正しました(7.17)

【了】

【え…これが戦艦「陸奥」の「一度爆沈した痕跡」です(写真)】

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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