海自の「新型艦」必要性に疑問符「その仕事、無人機でよくね?」 実は“全然ちがう役割”の可能性も!?

自衛隊の哨戒任務は将来の人手不足に備え、可能な部分を無人機に代行させようとしています。その際、任務が重複する哨戒艦はどうなるのでしょうか。実はこの艦艇には別の用途もありそうなのです。

哨戒機は将来的に無人機が増える?

 防衛省は有人哨戒機の乗員確保が困難になることや、危険な洋上での警戒監視・情報収集にあたる自衛官の生命の安全性を向上させることなどを目的とした、2018年12月に発表した「中期防衛力整備計画」のなかで、太平洋側の広域洋上監視能力を強化するための滞空型UAVを「検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。令和4(2022)年度予算に、滞空型UAVの試験的運用を行うための経費を計上しています。

 この試験は海上自衛隊に先立って導入された海上保安庁の滞空型UAV「シーガーディアン」を使って行われました。同庁ならびに運用を担当するジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)の協力を得て実施され、長時間の広域滞空監視や有人機との連携が検証されたと伝えられています。

 海上自衛隊の滞空型UAVは、潜水艦を探知する「ソノブイ」のランチャー(投下装置)などを搭載する計画もあるようです。この機能を持たせる構想もあり、P-1などの有人哨戒機との連携構想があるシーガーディアンを軸に、洋上飛行能力の高い「MALE」(中高度長時間滞空)に分類される無人機が選ばれるものと予想されます。

 MALEで有力な機体にはほかに、アメリカとその同志国であるオーストラリアの両海軍でP-8Aを補完する運用が想定されているMQ-4C「トライトン」、イスラエルのエルビット・システムズが開発した「ヘルメス900マリタイム」などがあります。いずれの機種が選定されたとしても、日本の洋上における情報収集・警戒監視能力は高まるものと思われます。

 ただ、滞空型UAVの洋上における情報収集と警戒監視という役割は、滞空型UAVとお同じく2018年末に策定された中期防で建造が決まった海上自衛隊の新しい艦種「哨戒艦」と重なります。

 哨戒艦は、領海や領土の沿岸、港湾の防衛や警備、救難活動をおもな任務とする軍艦を指します。アメリカはこれらを、日本の海上保安庁に相当する「沿岸警備隊」の任務と位置づけているため、アメリカ海軍は哨戒艦を保有していませんが、その一方でヨーロッパ諸国などでは増加しています。

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海上保安庁が保有する「シーガーディアン」(画像:海上保安庁)。

 哨戒艦は任務の性質上、長期間の洋上展開能力を備えていますが、他国の艦も含めて速度が遅く、武装も貧弱な傾向があります。防衛省は2022(令和4)年6月30日に哨戒艦の主契約社をジャパンマリンユナイテッド(JMU)に選定。同社は哨戒艦の要目を発表していますが、最大速度は20ノット(約37km/h)、主武装は30mm機関砲1門と、正面戦闘任務に投入できるものではありません。

【箱の中から発射!】これが、コンテナから飛び出すミサイルです(写真)

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