F-16やA-10Cにも搭載!「空対空ロケット弾」復権へ 米軍が戦闘機に再び使い始めたワケ

アメリカ軍が戦闘機に空対空ロケット弾を搭載するようになりつつあります。ただ、空対空ロケット弾は、一度は廃れた装備。それが今ごろになって再び脚光を浴びるようになったのは、どういう理由からなのでしょうか。

コスパ考えるとロケット弾がベター

 APKWS誘導ロケット弾の最大の特徴は、その低廉なコストにあります。1発あたりの価格はおおよそ2万ドル(約310万円)であり、これは既存の空対地ミサイルである「ヘルファイア」や空対空ミサイル「サイドワインダー」などと比べ一桁少ない価格です。

 また既存のミサイルを戦闘機に搭載する場合、兵装搭載ステーション1か所に対し1発ないし最大2発までしか搭載しかできませんが、APKWSは7連装ロケット弾ランチャーで携行するため、一度の離陸による攻撃機会を数倍に増やすことが可能となります。誘導のためにはレーザー照射可能なターゲティングポッドを携行する必要がありますが、ターゲティングポッドはミサイルの携行数に影響を与えることは基本的にありません。

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A-10「サンダーボルトII」攻撃機からAPKWS空対空ロケット弾を射撃したイメージ画像(画像:アメリカ空軍)。

 APKWSによる対ドローン攻撃能力は、2019年12月にF-16「ファイティングファルコン」戦闘機を用いて行われた撃墜試験によって実証されています。また2020年には車両搭載用の地上発射型が無人機の攻撃に成功しています。

 搭載は、F-16以外にF/A-18C/D「ホーネット」戦闘機やA-10C「サンダーボルトII」攻撃機、さらにはAH-64「アパッチ」やAH-1Z「ヴァイパー」といった攻撃ヘリコプターへも可能です。また他の機体でも、搭載するためのアップグレード化を行うことで対応できるでしょう。

 射距離は、ヘリコプターから発射した場合は5kmほどですが、戦闘機から発射するのであれば、母機が速く飛んでいることで初速も速くなることから12kmに延伸されます。誘導性能はミサイルと比べてそれほど高くないため、射撃時には精密な照準が必要であると考えられますが、その安価さと既存の兵器へ簡単に統合可能であることから、今後広く普及していくかもしれません。

【了】

【かつて米空軍が運用】異形! これが「ロケット弾100連射の戦闘機」です(写真)

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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