6年で本数“53倍”!? 高速バスで爆速成長した「新たな幹線」とは きっかけは新名神 運用効率が良すぎる!?

コロナ禍で低迷した高速バスですが、そのなかで急成長した路線もあります。本数は6年で53倍、他社も共同運行に加わり時間によっては“4台運行”も。この路線が地域を蘇らせる可能性すらあります。

増便!増便!増便! 高速バスの新たな幹線

 コロナ禍から回復途上の高速バス業界で、驚くようなペースで増便を繰り返しているのが、神戸・大阪と兵庫県三田(さんだ)市を結ぶ神姫バスの路線です。いずれも所要時間1時間強の短距離・自由席路線で、三田市内ではニュータウン内に多くの停留所が設けられ、きめ細かく系統が設定されているのが特徴です。
 
 高速バスのニュータウン路線は、名古屋~西桑名ネオポリス(三重県)線など中京地区が充実しています。しかし大阪~三田線は、2018年に誕生してわずか数年で、1日に53往復(平日ダイヤ。以下同じ)と、それらを軽く追い抜いてしまいました。急成長の背景を探ります。

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神姫バスの「関学エクスプレス」。背後はスペイン風建築の関西学院大学のKSCこと神戸三田キャンパス(成定竜一撮影)。

 三田市は兵庫県南東部の丘陵地帯に位置します。江戸時代には三田藩があり、近年まで独立した中小都市の趣きでした。1980年代以降、北摂三田ニュータウンの開発が進み、現在では人口の半分以上がニュータウン居住者という、神戸・大阪の衛星都市となりました。

 京阪神の各都市は、近くまで山が迫ります。首都圏の郊外が広大な関東平野に同心円状に広がるのと対照的で、関西の郊外開発は山を越えることになります。神戸郊外では、まず同市垂水区、明石市、加古川市など西側の海沿いに住宅地が連なり、地下鉄延伸とともに須磨ニュータウン、西神ニュータウンと北西方向に広がりました。市街地から六甲山を越えた先の神戸市北部では、神戸電鉄沿線の鈴蘭台などで開発が進みました。

 その北東にある三田市まで開発の波が到達した1980年代には、大阪方面に通じる国鉄福知山線(現・JR宝塚線)が複線電化され通勤路線のネットワークに入りました。そのため、北摂三田ニュータウンは大阪への通勤客を対象として開発された歴史があります。

 一方、阪神高速北神戸線の開通を受け、1999年、神姫バスが神戸(三宮)と同ニュータウンを結ぶ特急バスを運行開始します。大阪志向のニュータウンとはいえ、県庁所在地である神戸への流動も多く、鉄道だと2度の乗り換えが必要なことから順調に成長、増便を繰り返しました。

 北摂三田ニュータウンはフラワータウン、ウッディタウンなど地区ごとに順番に開発が進み、同路線も系統が枝分かれしていきます。現在では全系統合計で約100往復(三田発102便、神戸発95便)にもなっています。

【驚愕!】6年で“恐るべき増え方” 三田-新大阪線の時刻表ビフォーアフター(画像)

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