全国トップクラス輸送量の「単線」複線化なるか? 沿線自治体が国へ“技術支援”要請 将来は羽田直通も

複線化に向けた動きは?

 ただ、現時点で川越線に複線化の計画はありません。検討主体であるJR東日本は、「将来的に利用者が増えた時には、複線化の可能性はある」というスタンスを沿線自治体に示しています。さいたま市は、沿線の土地区画整理事業や、新たな産業集積拠点の形成に向けた検討などを引き続き推進し、複線化につながるような利用者増に取り組むとしています。
 
 過去にはさいたま市議会で、議員から川越線の複線化用地を確保すべきという質問が出たこともありましたが、市は「現段階ではJRから具体的な軌道の線形が示されていないので用地は確保していない。今後複線化用地の線形や区域が示された時点で用地確保を検討していきたい」との認識を示しています。複線化に向けた道のりは長そうです。
 
 ただ、架け替えが予定されている荒川橋りょう区間(指扇-南古谷)に関しては、埼玉県などが複線仕様で架け替えを検討する調査を実施しました。荒川橋りょうは、国が荒川の治水対策として整備を予定している第二調節池の計画地内にあり、堤防の嵩上げによって現在の橋りょうの高さや幅が不足するため、2030年度を目標に架け替えが予定されています。

 この調査によると、まずは現位置の上流に新たな橋りょうを単線で建設して架け替え、複線化する際は現位置に単線の鉄橋を新設する案の評価が最も高いとしています。荒川橋りょうの架け替えと合わせて複線化されるわけではなく、単線で架け替えた上で、将来的な複線化の余地を残す方向となりました。
 
 現時点では、川越線の複線化が実現するかはかなり不透明な状況と言えます。

【了】

【画像】ココが川越線の「複線化」検討区間です

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コメント

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1件のコメント

  1. これに乗じてアーバンパークラインの春日部~運河間も複線化やってくれ。