全国トップクラス輸送量の「単線」複線化なるか? 沿線自治体が国へ“技術支援”要請 将来は羽田直通も

JR川越線は東京へ通じる埼京線と一体運用されるほか、将来的には羽田空港への直通も見込まれています。しかし、いまなお大部分が単線のまま。今後はどうなるのでしょうか。

さいたま市が「川越線の複線化に向けた技術的支援」要望

 JR埼京線と直通運転を行う「川越線」の東半分、大宮-川越間は大部分が未だに「単線」のままです。そうした中、さいたま市は2025年度へ向けた国への要望に、「川越線の複線化が可能な構造に関する技術的な支援」を盛り込みました。今後どうなるのでしょうか。

Large 230324 norimono 01

拡大画像

川越線の車両(画像:写真AC)。

 川越線の大宮-川越間は、埼京線と一体化した運行形態となっており、大宮-日進の1区間だけが複線で、それ以外は単線です。1日の平均通過人員は7万7625人(2022年度)におよび、単線区間としての輸送量は全国トップクラスとなっています。沿線では、10両編成の通勤電車が田園地帯の単線を行き交う光景を見ることができます。

 単線区間があると、運転本数や速度に制約が生じます。また、遅延が後続列車だけでなく、対向列車にも影響を与えるため、複線運行に比べてダイヤの回復に多くの時間を要するデメリットも。2023年3月には指扇~南古谷間で、単線区間に上下線の車両が同時に進入して鉢合わせとなるトラブルも発生しています。川越線は埼京線のほか、りんかい線や相鉄線とも直通運転を行うなど、ダイヤ乱れの影響を受けやすく、輸送障害時には大宮駅で運行形態を分断する措置が取られています。
 
 川越線は将来的に、羽田空港アクセス線(西山手ルート)を経由して羽田空港までの直通も見込まれており、定時性の確保は更に重要性を増すことが見込まれます。開業の目途が立っていない西山手ルートの早期着工を国へ要望している埼玉県は、川越線をはじめとした県内路線の活性化が期待されるとしており、今年度も要望を継続していく構えです。

【画像】ココが川越線の「複線化」検討区間です

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. これに乗じてアーバンパークラインの春日部~運河間も複線化やってくれ。