同じ「はやぶさ」何が違うの!? 最少の新幹線「H5系」 これからも“激レア”であり続ける?
JR北海道が保有する新幹線車両H5系。独立した形式としては日本で最も少なく、2024年時点では30両しか存在しません。見た目は東北新幹線のE5系によく似ていますが、違いはどこにあるのでしょうか。
外観は紫色の帯が特徴
日本国内で最速の新幹線といえば、東北・北海道新幹線「はやぶさ」ですが、「はやぶさ」に使われている新幹線電車は2系列存在します。JR東日本のE5系と、JR北海道のH5系です。
H5系は、独立した系列の営業用新幹線車両としては日本一製造数が少なく、とてもレアな車両です。E5系が51編成510両に対し、H5系は2022年3月の福島沖地震で脱線したH2編成が廃車されたため、3編成30両しかありません。これは西九州新幹線のN700S 8000番台の5編成30両と同じ数です。
厳密にいうと、九州新幹線800系1000番台(2編成12両)と、800系2000番台(1編成6両)の方が少ないですが、それぞれN700Sと800系という系列縛りとすればH5系の製造数より多いため、やはり単独の形式ではH5系が最少といえます。
H5系の元となったE5系は、JR東日本が2000(平成12)年に策定した「ニューフロンティア21」で、東北新幹線の最高360km/h運転を計画したことが開発のきっかけでした。2005(平成17)年に試験車両「FASTECH360」を製造し、その試験結果を基に2009(平成21)年より製造されています。試験結果を受けて、費用対効果や環境負荷を考えると、最高320km/h運転が妥当ということになり、E5系は320km/hの性能とされたのです。
その後、2019年より試験車両「ALFA-X」(E956系)で、再び360km/h営業運転を目指した試験が行われています。北海道新幹線札幌開業を見据えた「FASTECH360」のリベンジというわけです。これらの経緯は、H5系にも共通します。
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