航空自衛隊の空中給油機「大幅強化」へ 飛行場少ない南西空域をカバー! 離島向け輸送手段にもなるか?
もう1個飛行隊できるのでしょうか?
すでに2機は本格運用スタート済み
防衛省は2024年8月30日(金)、2025(令和7)年度予算の概算要求を発表しました。そのなかで、「機動展開輸送アセットの推進」として盛り込まれていたのが、KC-46A空中給油・輸送機の追加取得です。
KC-46Aは、ボーイング767を原型に所要の改装を施し、空中給油・輸送機に仕立て上げたものです。具体的には初期モデル767-200シリーズの胴体に、より大型の767-300シリーズで用いられている主翼や降着装置、貨物室の扉や床などを組み合わせているのが特徴です。
このため、航空自衛隊が先んじて導入したKC-767とKC-46Aを比べた場合、後者は全長で約2m、主翼幅で約60cm大きくなっており、燃料の搭載量もKC-767の72.877tから96.297tへと増加しています。
また胴体内部は貨物室となっているため、各種物資を空輸することができるほか、貨物室内部にシートを設置すれば最大104人まで載せることが可能です。
このように汎用性が高いのが特徴で、ゆえに防衛省は追加調達を決めたと考えられます。
防衛省はこれまでにKC-46Aを6機調達しており、うち2機はすでに鳥取県の航空自衛隊美保基地に所在する第405飛行隊に配備され、本格運用を開始しています。
このたびの概算要求に盛り込まれたのは4機ぶん2068億円。もし、この調達が認められたとすると、航空自衛隊が保有するKC-46Aは10機にまで増えます。また既存のKC-767と合わせると、その数は14機にまで増える見込みで、南西エリアを始めとした日本周辺の広大な空域で味方の戦闘機が戦闘を継続するための滞空時間を大幅に伸ばすことが可能になるほか、離島への迅速な部隊展開や物資輸送、さらには戦闘機配備基地の抗堪性向上を図ることにつながると考えられます。
【了】
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