激珍機!「謎すぎる元自衛隊機」誕生の経緯が凄すぎた 文字フォントはまさかの“手書き風”
なぜ今も現役なの? 復活の経緯とは
この航空ショーで展示されていたLM-1のオーナー、フィル・マクラナハン氏によると、この機体はその払い下げられた機体の1機だとのこと。友人が放出機として購入したものの、長期間放置されていたそうで、その様子を見かねたマクラナハン氏がその友人から機体を買い取り、飛行可能な状態まで復元して維持していると話してくれました。
同氏は、元海軍の航空機整備士だったことから、飛行機の修理や整備には長けており、小型機の修復作業はお手の物だったというわけです。
機内も案内していただきましたが、操縦輪が年代を感じさせます。計器類もほぼオリジナルのものが装備されていました。コックピット中央には、日の丸の鉢巻きが天井から垂れ下がっていました。この鉢巻きを頭に巻いて日の丸入りの飛行機に乗れば気分は「サムライ・パイロット」というわけです。ここからも、マクラナハン氏の日本愛を感じることができました。同氏はバージニア州在住ですが、ほぼ毎年、愛機LM-1に乗ってこの航空ショーに参加しているそうです。
このLM-1が復活し、オーナーにいまだ愛されているケースを見るように、欧米諸国では軍で役割を終えた航空機が武装を外した状態で市井に払い下げられ、民間機として登録して使用することが可能です。しかし、日本では残念ながら自衛隊で役割を終えた航空機を格安で購入し、民間機として再使用することは出来ません。
日本も、諸外国のように退役後の自衛隊機を民間で活用できるよう、法整備をすれば、航空人材の確保と防衛に対する国民の理解度向上に貢献するのでは、と筆者は考えています。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
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