日本車=「国産がイチバン」はもう古い? 気づけば「アジア産」だらけになった理由 デメリットある?

海外製日本車、デメリットはある?

 これら海外製の車種は、市場ニーズの高い地域に生産工場が置かれています。つまり、現地向けのクルマとともに、日本や他の地域向けのクルマを生産することで経営資源の効率化を図ることが目的です。

 例えば、ピックアップトラックは東南アジアを中心に高い需要があるため、生産地にタイが選ばれています。ホンダの場合、オデッセイは国内生産を終了したものの、市場からの声を受け、復活させるために中国からの輸入という選択をしています。

 例外的なのがホンダCR-V e:FCVですが、これは特殊なモデルであるため、搭載する燃料電池システムの生産が米国であることなどの理由から、かつてNSXの生産を行っていたオハイオ州にあるパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)で作られています。

 こうした車種は輸送コストこそ国内生産より上昇しますが、現地向けや海外向けの同型車を大量生産しているので、日本向けモデルが少量であっても、製造コストを抑えることが可能です。そのため、販売台数が限られるクルマでも、日本での販売が実現できます。ちなみに、アコードやトライトンの月販計画台数は、200台と控えめです。

 もちろん、弱点もあります。それは年間の導入台数と仕様が限定されること。自動車の輸入は船便となりますが、その輸送ルートを確保する必要があるため、ニーズがあるからといって、急に輸入台数を増やすことができません。また国内生産のように、ユーザーごとの細やかなオーダーに合わせることは長納期化につながります。

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2024年秋に日本発売予定のスズキ・フロンクスはインド製(画像:スズキ)。

 これは日本で販売される海外メーカーの輸入車も同じで、在庫に同様の仕様があれば問題ないのですが、本国への注文生産となると多くの時間を必要とします。また仕様の多さは価格上昇の要因となるため、基本的にはメーカーオプションがなく、グレード構成も最小限に。ボディカラーも絞られ、人気色に集中されます。

 そのぶん、多くの人が基本仕様で満足できるように、装備が充実するのが通例です。

【こんなに!?】実は“海外製”の日本車たち(写真で見る)

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